小さな店舗のLINEセグメント配信のやり方|最初に作る3つの分け方
先に結論
小さなお店のセグメント配信は、年齢や性別ではなく「お客さまの来店のしかた」で分けるのが近道です。 年齢・性別などの属性で絞るには、ターゲットリーチが100人以上必要で、属性もLINEの利用状況から推定したものです。
最初に作りたい分け方は、次の3つです。
- 初回とリピート:初めて来た人と、2回以上来ている人
- メニュー別:カット・カラー、ランチ・宴会など、よく受けるメニュー
- しばらく来ていない人:最後の来店から時間がたっている人
チャットでお客さまにタグを付け、そのタグからオーディエンスを作れば、絞り込み配信で送る相手を選べます。
友だち250人の美容室が、カラーのキャンペーンを全員に送る。届いた250人のうち、ふだんカラーを受けているのは一部だけ。残りのお客さまには、関係のない1通が届いたことになります。
「セグメント配信」と聞くと、友だちが何千人もいる大きなお店のもの、と感じるかもしれません。でも、友だちが数百人の小さなお店こそ、1人ひとりのお客さまに合った配信がしやすい立場にあります。店長がお客さまの顔とメニューを覚えているからです。
この記事では、LINEヤフーの公式マニュアルをもとに、小さなお店でも使えるセグメント配信のやり方と、最初に作りたい3つの分け方をまとめます。
セグメント配信とは、何をどう分けて送ることなのか?
セグメント配信は、友だち全員ではなく、条件に合うお客さまにだけメッセージを送ることです。LINE公式アカウントでは「絞り込み配信」と呼ばれ、属性・オーディエンス・過去の配信の3つの方法で、送る相手を選べます。
まずは、LINE公式アカウントで使える絞り込みの方法を整理します。
| 方法 | 何で分けるか | 使うための条件 |
|---|---|---|
| 属性 | 年齢・性別・地域・OS・友だち期間 | ターゲットリーチ100人以上、絞った後の推計対象50人以上 |
| オーディエンス | チャットのタグ、友だち追加の経路、メッセージのクリック・開封、リッチメニューのクリックなど | 種類ごとに人数の条件がある。1回のメッセージに10個まで追加できる |
| 過去の配信 | 過去に送ったメッセージの届け先 | 認証済アカウントのみ。配信完了から2週間以内 |
年齢や性別の「属性」は、ターゲットリーチ100人未満のお店では使えない
属性で絞るには、ターゲットリーチが100人以上必要です。ターゲットリーチは、属性の推定ができる友だちの数で、友だちの数そのものとは違います。友だちが100人を少し超えたお店でも、ターゲットリーチが100人に届かず、属性の絞り込みが使えないことがあります。管理画面の分析で、自分のお店の数字を確かめておきましょう。
属性は「推定」なので、お店の分け方には合わないこともある
属性で指定できる年齢や性別は、LINEの利用状況から推定したもので、実際と違う場合があります。LINEヤフーのマニュアルでも、属性は毎日推定・更新され、おおむね3日前の情報で絞り込むと説明されています。「30代の女性」より「カラーを受けている人」の方が、お店にとっては送る内容を決めやすい分け方です。
小さなお店は、何で分けるのがいちばん役に立つのか?
小さなお店がいちばん役に立つのは、年齢や性別より、お客さまの来店のしかたで分けることです。何回来ているか、どのメニューを受けているか、最後にいつ来たか。この3つがわかれば、送る内容とタイミングが自然に決まります。
たとえば同じ30代のお客さまでも、初めて来た人と、2年通っている常連さんとでは、知りたいことが違います。初めての人には「次の予約の取り方」を、常連さんには「新しいメニューの先行案内」を。分け方は、送る内容が変わるところで決めるのが基本です。
店長やスタッフは、お客さまの来店のしかたをすでに知っています。予約台帳やカルテ、会計の記録を見れば、誰がカラーを受けているか、誰がしばらく来ていないかはわかるはずです。セグメント配信は、その知っていることをLINEに写す作業だと考えると、ぐっと身近になります。
最初に作る3つの分け方は、どれなのか?
最初に作りたいのは「初回とリピート」「メニュー別」「しばらく来ていない人」の3つです。どれも、送る内容がはっきり変わる分け方で、業種を問わず使えます。まずはこの3つから1つ選び、1回送ってみるところから始めましょう。
| 分け方 | 美容室・ネイル | 飲食店 | 整体・教室 | 送る内容の例 |
|---|---|---|---|---|
| ① 初回とリピート | 初めてのお客さま/常連さま | 初来店/何度も来ている | 初回・体験/通院中・在籍 | 初回には次の予約の取り方、常連には先行案内 |
| ② メニュー別 | カット/カラー/パーマ | ランチ/ディナー/宴会 | 回数券/単発、クラス別 | そのメニューの季節の話、関係するキャンペーン |
| ③ しばらく来ていない人 | 前回から時間がたった人 | しばらく見かけない常連 | 通院・受講が止まっている人 | 近況をたずねるひと言、空き枠の案内 |
① 初回とリピートで分けると、2回目の来店のきっかけを逃さない
初めて来たお客さまは、お店のことをまだよく知りません。全員向けの配信だけでは、「次はいつ行こう」と思うきっかけが届かないこともあります。初回のお客さまにだけ、お礼と次の予約の取り方を送る。2回目の来店をうながす1通は、この分け方があってこそ送れます。
② メニュー別に分けると、「関係ない配信」がなくなる
カラーのキャンペーンはカラーのお客さまに、宴会コースの案内は宴会を利用した人に。メニューで分けると、届いた人にとって関係のある配信だけになります。関係のない配信が減ることは、ブロックのきっかけが減ることでもあります。
③ しばらく来ていない人に分けると、離れかけたお客さまに声をかけられる
最後の来店から時間がたっているお客さまは、ほかのお店に移りかけているかもしれません。全員向けの配信に埋もれさせず、そのお客さまだけに「お元気ですか」と声をかけると、戻ってくるきっかけになります。どれくらいの期間を「しばらく」とするかは、お店の来店の間隔から決めてください。
最初のタグは「5つまで」にすると、スタッフが迷わない
3つの分け方をタグにするとき、最初から細かく作りすぎないことが大切です。業種ごとに、始めやすいタグの例を挙げます。
- 美容室:初回/カット/カラー/パーマ/しばらく来ていない
- ネイル・まつげ:初回/ハンド/フット/まつげ/しばらく来ていない
- 飲食店:初来店/ランチ/ディナー/宴会・貸切/しばらく来ていない
- 整体・鍼灸:初回/回数券/単発/しばらく来ていない
- 教室・レッスン:体験/在籍/休会中/保護者
タグが5つまでなら、スタッフも覚えられます。使っていくうちに「このタグも欲しい」と思ったら、そのとき足せば十分です。
分けたお客さまに送るには、LINEで何を設定すればいいのか?
小さなお店でいちばん始めやすいのは、チャットでお客さまにタグを付け、そのタグからオーディエンスを作り、絞り込み配信で送る方法です。タグは予約や問い合わせのやりとりのついでに付けられるので、特別な作業時間はあまりいりません。
タグは「予約のやりとりのついで」に付ければ、1日数分で済む
LINEで予約の連絡や質問が来たら、返信のついでにタグを付けます。「カラーの予約です」と来たら「カラー」、初めての予約なら「初回」。あとでまとめて付けようとすると大変なので、やりとりのたびに付けるのがコツです。タグの名前はスタッフ全員で同じものを使えるよう、一覧を紙に書いて貼っておきましょう。
オーディエンスは「人数の条件」を先に確かめると、送れない失敗を防げる
チャットのタグを対象にしたオーディエンスは、チャットでタグを付けた人が対象になります。すでにオーディエンスにしたタグは選べないこと、タグを消すとオーディエンスも消えることも覚えておきましょう。また、複数のオーディエンスを掛け合わせるときは、結果が50人以上で、それぞれに有効な友だちが50人いないと配信できません。最初は1つのオーディエンスで送るのが安心です。
友だちが増えたら、友だち追加の経路でも分けられる
店頭のPOPから追加した人、Webサイトから追加した人のように、友だち追加の経路でオーディエンスを作ることもできます。ただし、選べるのは人数が50以上の経路だけです。友だちが増えてきたら、「お店に来たことのある人」と「まだ来たことのない人」を分ける手がかりとして使えます。
LINEで予約を使っているお店は、「予約した人」でも分けられる
LINE公式アカウントの「LINEで予約」を使っているお店なら、LINEで予約経由で予約したお客さまを対象にしたオーディエンスも作れます。マニュアルでは、性別や年代などと掛け合わせて絞り込む場合は、推計対象ユーザーが50人以上必要とされています。予約した人が増えてきたら、「予約したことのある人」だけに空き枠を知らせるといった使い方ができます。
分けて送ると、通数と反応はどう変わるのか?
分けて送ると、通数は送った相手の数だけになるので減り、届いた人には自分に合った内容が届きます。全員への配信を減らし、分けた配信を足す組み立てにすると、通数を抑えながら配信の回数を保てます。計算は「送った回数×送った友だちの数」です。
全員配信を月4回
全員配信を月2回
カラーの60人に1回
全員に月4回送ると1,000通ですが、全員への配信を月2回にして、カラーのお客さま60人に1回足すと560通です。通数はほぼ半分になり、カラーのお客さまには自分に合った1通が届きます。
③しばらく来ていない人に送る配信の例(美容室)
〇〇さま、ご無沙汰しております。ヘアサロン〇〇です。 その後、髪の調子はいかがですか。 季節の変わり目で、乾燥が気になる方が増えてきました。 ご都合のよいときに、また気軽にお顔を見せてください。ご予約は下のメニューからどうぞ。
無料のプランのお店ほど、分けた配信が役に立つ
無料のコミュニケーションプランで送れるのは月200通です。友だち150人のお店が全員に送ると、1回で150通を使い、その月はもう1回全員に送ることができません。全員への配信を月1回(150通)にして、残りの50通を「しばらく来ていない人」30人と「初回」の20人に使えば、同じ200通で3種類の配信が届けられます。配信の前には、管理画面の配信先の画面で、選んだオーディエンスに届く人数を確かめておきましょう。
反応は「送った相手の中で、何人が予約したか」で見る
分けた配信の反応は、全員向けの配信と同じ物差しでは比べにくいものです。60人に送った配信なら、その60人のうち何人が予約したかを見ます。分析のメッセージ配信の項目で開封やクリックも確認できますが、20未満の数字は表示されないことがあるので、予約台帳で「配信のあとに来た人」を数える方が、小さなお店では確かです。
セグメント配信を続けるために、何を決めておけばいいのか?
続けるために決めておくのは、タグの名前の一覧、タグを付ける人とタイミング、分けた配信を送る日の3つです。仕組みより「お店の決まりごと」が大事で、これが決まっていないと、タグがばらばらになり、せっかくの分け方が使えなくなります。
分けすぎると、1回に送る相手が少なくなりすぎる
分け方に慣れてくると、「30代のカラーの初回のお客さま」のように、条件を重ねたくなります。でも、条件を重ねるほど、1回に送る相手は少なくなります。友だち250人のお店で条件を3つ重ねると、送る相手が数人しか残らないこともあります。そうなると、配信を作る手間に対して届く人が少なく、分析の数字も出にくくなります。分け方は1回に1つを基本にし、送る相手が少なくなりすぎないようにしましょう。
月末の10分で、3つの分け方を見直す
- タグの名前が、スタッフによってばらばらになっていないか
- 「しばらく来ていない人」のタグを、今月の来店に合わせて付け替えたか
- 分けた配信を、今月1回は送れたか
慣れてきたら、決まった流れを自動にすることもできます。LINE公式アカウントのステップ配信では、友だち追加やオーディエンスをきっかけに配信を始め、属性やオーディエンスで条件を分けられます。自動にする考え方はステップ配信で、分けて送る考え方はセグメント配信で紹介しています。
セグメント配信は、大きなお店だけのものではありません。お客さまの顔がわかる小さなお店だからこそ、分けた1通がきちんと届きます。今のLINEの使い方でどこを伸ばせるかは、無料のLINE活用度チェックでも確かめられます。
よくある質問
友だちが100人いないお店でも、セグメント配信はできますか?
年齢や性別などの属性で絞る配信は、ターゲットリーチが100人以上必要なので使えません。ただ、チャットでお客さまにタグを付け、そのタグからオーディエンスを作る方法なら、属性とは別の分け方ができます。オーディエンスの種類ごとに人数の条件があるので、作る前に管理画面で確かめてください。
年齢や性別で分けて送るのは、おすすめですか?
属性で指定できる年齢や性別は、LINEの利用状況から推定したもので、実際と違う場合があります。小さなお店では、年齢や性別より、よく受けるメニューや最後の来店時期で分けた方が、お客さまに合った内容を送りやすくなります。
チャットのタグは、どうやって付ければいいですか?
お客さまとLINEのチャットでやりとりしたときに、そのお客さまにタグを付けられます。「カラー」「初回」のように、あとで配信に使う分け方の名前にしておくと便利です。タグを付けたら、そのタグを対象にオーディエンスを作れます。
いくつものオーディエンスを組み合わせて送れますか?
1回のメッセージに、オーディエンスを10個まで追加できます。ただし複数を掛け合わせるときは、結果が50人以上で、それぞれのオーディエンスに有効な友だちが50人いないと配信できません。小さなお店では、まずは1つのオーディエンスで送るところから始めるのがおすすめです。
セグメント配信にすると、通数は減りますか?
送る相手を絞るので、全員に送るより通数は少なくなります。通数は「送った回数×送った友だちの数」で数えるため、友だち250人に送る代わりに、カラーのお客さま60人にだけ送れば、その配信は60通です。
分けたお客さまに、自動で配信することはできますか?
ステップ配信では、友だち追加やオーディエンスをきっかけに配信を始め、属性やオーディエンスで条件を分けることができます。まずは手動の絞り込み配信で分け方に慣れ、決まった流れができたら自動化を考えるとよいでしょう。
出典・参考(2026年9月26日時点)
- LINEヤフー for Business「絞り込み配信について」マニュアル(ターゲットリーチ100人以上・推計対象50人以上・オーディエンス10個まで)
- LINEヤフー for Business「オーディエンス」マニュアル(チャットタグ・友だち追加経路などの種類)
- LINEヤフー for Business「ステップ配信」マニュアル(開始条件・条件分岐)
- LINEヤフー for Business「分析 - 友だち」マニュアル(ターゲットリーチの属性)
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの料金プラン」(通数の数え方)
記事の内容は2026年9月26日時点の情報です。最新の仕様・料金は各公式サイトでご確認ください。