予約・無断キャンセル飲食店

飲食店の無断キャンセル対策にLINEを使う|年末の宴会予約を守る連絡の流れ

作成
ミセノテ編集部
公開
情報
2026年9月26日時点
読了
約9分

先に結論

年末の宴会予約は、幹事さんと予約の時点でLINEでつながり、次の順に連絡を送ると無断キャンセルを減らせます。

  • 予約を受けたとき:日時・人数・コース・人数確定の期限・キャンセルの規定を送る
  • 1週間前:人数の最終確認をお願いする
  • 3日前・前日:日時と人数を確認し、変更はLINEで受け付ける
  • 当日の朝:「本日お待ちしています」と遅れるときの連絡方法を送る

経済産業省が2018年に公表した「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」では、無断キャンセルは飲食店の予約全体の1%弱を占め、損害は年間約2,000億円とも言われるとされています。同じレポートで、予約の再確認とキャンセルの連絡をしやすい仕組みが、お店が取り組むことの最初に挙げられています。

10月に入ると、夕方の仕込みの最中に電話が鳴り始めます。「12月の第2金曜、20名で忘年会をお願いしたいんですが」。

ありがたい予約です。けれど店長の頭には、去年の苦い記憶もよぎります。コースの食材をそろえ、アルバイトを多めに入れ、奥の座敷を空けて待っていたのに、予約の時間になっても誰も来なかったあの夜。幹事さんの携帯は、何度かけてもつながりませんでした。

年末の宴会予約は、1件の無断キャンセルで、食材も人手も席もまとめて失います。この記事では、経済産業省がまとめた無断キャンセルの対策レポートをもとに、幹事さんとLINEでつながって、予約から当日までの連絡を途切れさせない方法を、忘年会シーズンの前に準備できる形でまとめます。

飲食店の無断キャンセルは、どれくらい起きているのか?

経済産業省が2018年に公表した対策レポートでは、無断キャンセルは飲食店の予約全体の1%弱を占めるといわれ、飲食業界全体の損害は年間で約2,000億円とも言われています。前日・2日前のキャンセルまで含めると、発生率は6%強に達すると推計されています。

このレポートは、弁護士や大学教授、飲食の業界団体、消費者団体などが参加した有識者の勉強会がまとめたもので、経済産業省・農林水産省・消費者庁がオブザーバーとして加わっています。レポートには、予約サービス事業者のデータをもとにした、キャンセルの時期ごとの内訳の推計も載っています。

0.9%無断キャンセル
3.9%当日のキャンセル
1.1%前日のキャンセル
0.6%2日前のキャンセル
飲食店の予約に占めるキャンセルの内訳の推計(経済産業省「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」2018年より)

無断より多い「当日のキャンセル」は、連絡さえあれば席を回せる

内訳を見ると、無断キャンセルより当日のキャンセルのほうが多いことがわかります。当日でも連絡があれば、空いた席を別のお客さまに案内したり、仕込みの一部を翌日に回したりできます。無断キャンセルを「連絡のあるキャンセル」に変えるだけで、取り戻せる損失がある。LINEを使う対策は、ここに効きます。

年末の宴会予約は、なぜ無断キャンセルの痛手が大きいのか?

宴会は人数が多く、コースの食材を前もって仕入れ、スタッフも増やして備えるため、無断キャンセル1件の損失がふだんの予約の何倍にもなります。そのうえ年末は、その席を求めていた別のお客さまを断っていることが多い時期です。

対策レポートには、大学のサークルの飲み会として3,000円のコース50名分の予約を受けたのに、当日一人も来ず、連絡もなかったという例が載っています。食材費だけでなく、仕込みの人件費、光熱費、当日に出勤したアルバイトの人件費まで損失になった例も紹介されています。

20名×5,000円のコースなら、1件で10万円が消える

あなたのお店の数字で計算してみましょう。1人5,000円のコースで20名の予約なら、5,000円×20名=10万円。これが1晩で消える売上です。そこに、仕入れた食材の廃棄、増やしたアルバイトの人件費が重なります。

レポートの例のように3,000円のコースを50名で予約されていたなら、3,000円×50名=15万円です。あなたのお店の1日の売上と比べてみてください。それだけの金額が、たった1件の予約で動いています。だからこそ、宴会の予約は「受けたら終わり」ではなく、当日まで連絡をつなぎ続けることが大切です。

来るかもしれないと待つ2〜3時間も、取り戻せない

対策レポートでは、無断キャンセルの場合、お店は遅れて来るかもしれないお客さまのために席を空けて待っていることが多く、予約時間後の平均2〜3時間後まで、もしくは閉店までの機会損失が生じていることも考慮すべきだとされています。年末の金曜の夜、座敷を2時間空けたまま、飛び込みのお客さまを断る。これが無断キャンセルのいちばん悔しいところです。

宴会の予約を受けるとき、何を決めておけばいいのか?

宴会の予約を受けたら、幹事さんの連絡先、人数確定の期限、コースの内容、キャンセルの規定、連絡の窓口の5つを決め、その場でLINEに送って文字で残します。電話で話しただけの約束は、あとで食い違いのもとになります。

対策レポートでも、予約時に連絡先をしっかり把握することや、電話予約でも必要最低限のキャンセルポリシーを説明することが求められています。宴会の予約は、電話で受けることがまだ多いはずです。電話の最後に「内容をLINEでお送りしますね」と伝え、幹事さんに友だち追加をしてもらうところまでを、予約受付の流れにしてしまいましょう。

決めること例なぜ必要か
幹事さんの連絡先LINEの友だち追加+携帯電話の番号当日まで連絡が途切れないように
人数確定の期限3日前の20時まで食材の発注と仕込みに間に合わせる
コースの内容5,000円コース・飲み放題2時間当日の「聞いていた内容と違う」を防ぐ
キャンセルの規定人数確定の後の減少・当日のキャンセルの扱い請求するなら、事前に示しておく必要がある
連絡の窓口変更はこのLINEに送るだけ営業時間外でも連絡してもらえる
宴会の予約を受けるときに決めて、LINEで送っておく5つのこと

幹事さんにとっての便利さを伝えると、友だち追加してもらいやすい

「お店のLINEを追加してください」だけでは、幹事さんには手間にしか聞こえません。「お店の地図と予約の内容をLINEでお送りするので、参加者の方にそのまま転送できます」と伝えれば、幹事さんの仕事が1つ減ります。人数の変更を、仕事の合間に電話せずに送れるのも、幹事さんにとってはありがたい点です。

電話で伝えたキャンセルの規定も、LINEで送り直して文字に残す

電話でキャンセルの規定を説明しても、幹事さんが参加者に伝えるころには、細かい条件は抜け落ちがちです。「人数確定の後の減少は、コース料金をいただきます」といった大事な条件は、LINEで文字にして送っておくと、幹事さんも参加者に正確に伝えられます。あとで「聞いていない」と言われたときにも、トークの記録が双方の確認になります。

宴会の前には、いつ・何をLINEで送ればいいのか?

予約を受けたとき、1週間前、3日前、前日、当日の朝の5回が目安です。とくに大事なのは人数を確かめる1週間前と3日前で、ここで変更をもらえれば仕込みの量を合わせられます。前日と当日は短い確認で十分です。

対策レポートでも、SMSやメールを使って、来店の3日前・前日・当日の朝などに予約を再確認する方法が紹介されています。LINEなら、幹事さんとのやり取りが1つのトークにまとまり、さかのぼって確かめるのも簡単です。

  • 日時・人数・コース・人数確定の期限・キャンセルの規定・地図を送る
  • 人数の最終確認のお願い。アレルギーや苦手な食材も聞いておく
  • 人数確定の期限の当日。確定した人数とコースをもう一度送る
  • 日時・人数・席の確認。遅れる方がいるときの連絡方法を添える
  • 「本日お待ちしています」の一言
年末の宴会予約で、幹事さんにLINEを送るタイミング

1週間前の人数確認の例(居酒屋・幹事さんあて)

〇〇さま、12月12日(金)19:00〜のご宴会、ご予約ありがとうございます。
現在のご予約:20名さま・5,000円コース(飲み放題2時間)
人数の確定は、12月9日(火)20時までにお願いしております。人数の変更や、アレルギー・苦手な食材がある方がいらっしゃれば、このトークにお送りください。
当日の地図はこちらです。参加の皆さまへ、そのまま転送していただけます。

宴会の1週間前に幹事さんへ送る人数確認の文面の例。期限・変更の方法・地図の3つを入れる

人数の確認を「1週間前」と「3日前」に分けると、減員の連絡が早まる

人数の変更は、幹事さんも参加者の返事を待っているので、ぎりぎりまで決まらないことがあります。1週間前に一度「今の人数」を確かめておくと、幹事さんが参加者に声をかけ直すきっかけになります。1週間前に知らせてもらえた減員なら、食材の発注を減らして廃棄を防げます。

キャンセル料は、請求してもいいのか?

対策レポートでは、無断キャンセルでお店に損害が出た場合、損害賠償を請求できると考えられるとしています。ただし金額は、転用できる食材や人件費を除くなど実際の損害をもとに決める必要があり、予約の時点でキャンセルの規定を示しておくことが前提です。

レポートでは、予約の種類によって考え方が分けられています。

  • コース予約:別のお客さまで埋め合わせることが著しく難しいため、損害がコースの全額になることがあり、キャンセルポリシーに基づいて全額を請求できる場合がある。ただし、転用できる飲食物の代金や人件費は除く必要がある
  • 席のみの予約:実際の損害を個別に計算するのは難しいため、平均客単価から転用できる原材料費・人件費などを除いた額が、目安の1つと考えられる

決める前に「平均的な損害」の考え方を押さえておく

消費者契約法では、同じ種類の契約で生じる平均的な損害を超える部分のキャンセル料は無効とされています。レポートでも、お店は平均客単価や損害額の算定方法を事前に示し、説明できるように準備すべきだとされています。キャンセル料は、金額よりも「先に伝えて、根拠を説明できること」が大切です。迷うときは、専門家に相談してから決めましょう。

当日、宴会の時間になっても来ないときはどうすればいいのか?

まずLINEと電話の両方で幹事さんに連絡し、何分を過ぎたら席をどうするかを、お店のルールとして先に決めておきます。前日までにキャンセルがわかっていれば、空いた席を常連さんにLINEで案内することもできます。

予約の時間を過ぎたら、まずLINEで「本日19時のご予約でお待ちしております。ご到着はいつごろになりそうでしょうか」と送り、同時に電話もかけます。仕事帰りの幹事さんは、電車の中で電話に出られなくても、LINEなら返信できることがあります。

「何分待つか」を先に決めておけば、迷わず次の手を打てる

対策レポートでは、海外の予約の仕組みで、遅刻は15分まで認め、連絡なく遅れた予約は無断キャンセルとして扱う例が紹介されています。あなたのお店でも、「30分を過ぎて連絡がなければ、席の一部を別のお客さまにご案内する」などと決め、予約の時点で幹事さんに伝えておくと、当日に迷わずに済みます。

前日のキャンセルは、常連さんへの空席の案内で取り戻す

前日に「すみません、会社の都合で中止になりました」と連絡が来たら、座敷を空けたままにせず、常連さんに「明日の金曜、座敷に空きが出ました」と案内します。LINE公式アカウントの配信は「送った回数×送った人数」で通数が数えられるので、「空席が出たら知りたい」と言ってくれた方に絞って送ると、通数を抑えながら予約につなげられます。

宴会ではない、ふだんの少人数の予約も同じ流れで守れるのか?

守れます。2〜4名の席だけの予約なら、予約を受けたときの確認と、前日のお知らせの2通で十分です。宴会ほどの準備はなくても、金曜・土曜の夜の席は断ったお客さまがいる席なので、無断キャンセルを減らす価値は同じです。

少人数の予約は件数が多いぶん、1件ずつ電話で確認するのは現実的ではありません。前日のお知らせをLINEにまとめると、スタッフの手を止めずに済みます。

少人数の予約は「前日の1通」だけでも、席を回せる可能性が生まれる

〇〇さま、明日10月17日(金)19:00、4名さまでお席をご用意しております。ご都合が悪くなったときは、このメッセージに返信するだけで大丈夫です。

この1通があれば、行けなくなったお客さまは電話をかけずに連絡できます。前日の夜に1件でもキャンセルの連絡が来れば、その席を翌日の飛び込みのお客さまに回せます。

予約の電話が多い時間帯こそ、LINEの予約窓口を案内する

仕込みやランチの片づけの時間に予約の電話が重なると、聞き間違いも起きやすくなります。リッチメニューに予約のボタンを置き、「LINEからもご予約いただけます」と店内やお会計のときに案内しておくと、電話の本数そのものを減らせます。LINEで受けた予約なら、そのまま前日のお知らせにつなげられます。

飲食店でのLINEの使い方の全体像は、飲食店向けのページにまとめています。忘年会の予約の電話が本格的に鳴り始める前に、予約受付の流れと、幹事さんへ送る文面を用意しておきましょう。前日・当日のお知らせを自動で送る流れは、自動リマインドの機能のページで紹介しています。

よくある質問

宴会の無断キャンセルに、キャンセル料を請求してもいいですか?

経済産業省の対策レポートでは、無断キャンセルでお店に損害が出た場合、損害賠償を請求できると考えられるとされています。ただし金額は、転用できる食材や人件費を除くなど、実際の損害をもとに考える必要があり、消費者契約法では平均的な損害を超える部分は無効とされています。予約の時点でキャンセルの規定を伝えておくことが前提です。

人数の確定は、いつにすればいいですか?

食材の発注と仕込みに間に合う日から逆算して決めます。コース料理で食材の発注が3日前なら、人数の確定は3日前の営業時間内、というように、お店の仕込みの段取りに合わせて決め、予約の時点で幹事さんに伝えておきましょう。

幹事さんがLINEの友だち追加をしてくれません。どうすればいいですか?

予約の電話の最後に「人数の確認やお店の地図を、LINEでお送りできます」と、幹事さんにとっての便利さを伝えるのが近道です。当日の参加者に地図を転送できる、人数の変更を電話せずに送れる、といった点は、幹事さんの手間を減らします。

前日の確認は、電話とLINEのどちらがいいですか?

大人数の宴会は、LINEで前日の確認を送り、返信がなければ電話をかける、という組み合わせがおすすめです。幹事さんは仕事中で電話に出にくいことが多く、LINEなら都合のいいときに返信できます。

当日、予約の時間になっても来ないときは、どれくらい待てばいいですか?

決まった答えはありませんが、何分を過ぎたら連絡し、何分を過ぎたら席を別のお客さまに回すかを、お店のルールとして先に決めておくと迷いません。対策レポートでは、海外の予約の仕組みで、遅刻は15分まで認める例が紹介されています。

無断キャンセルが心配な大人数の予約では、前金をもらってもいいですか?

対策レポートでも、事前決済や預かり金(デポジット)の導入が、無断キャンセルを抑える方法の1つとして挙げられています。人数や金額が大きく、無断キャンセルが起きたときの被害が大きい予約から考えるとよいでしょう。

出典・参考(2026年9月26日時点)

  1. 経済産業省「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポートが発表!」2018年11月1日(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業による保存ページ)
  2. サービス産業の高付加価値化に向けた外部環境整備等に関する有識者勉強会「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」2018年11月1日(本文PDF・愛知県飲食生活衛生同業組合の掲載)
  3. e-Gov法令検索「消費者契約法」第9条
  4. LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの料金プラン」(通数の数え方・通数に含まれないメッセージ)

記事の内容は2026年9月26日時点の情報です。最新の仕様・料金は各公式サイトでご確認ください。

友だち追加の特典

公式LINEに友だち追加で「施策まとめ大全」を無料プレゼント。

Googleマップで見つけてもらう工夫から、LINEで常連になってもらう仕組みまで。例文・チェックリストつきの1冊を、友だち追加のあとトークでお届けします。新しい記事やLINE・Googleの変更点もお知らせします。

公式LINEで資料を無料で受け取る
ミセノテ公式LINEの友だち追加用QRコードスマホのカメラで読み取り
3分で無料チェック LINEで資料を無料で受け取る